4−2 1987年岩手県中部沿岸地震


(1)調査・解析方法

 1987年1月9日15時14分に発生した岩泉町付近を震源とする地震で、盛岡で震度5(気象台発表)を記録し、負傷者6名の他、岩手県内で2億6千万円の被害を出した。気象庁によると、この地震の震源は北緯39°50.5’、東経141°46.8’、震源の深さは約72km、マグニチュード6.6とされている。

 この地震の際には、岩手県内の概略的な震度分布を求めることと、盛岡市域での詳細震度分布を求めることの二つの目的を考慮して調査用紙を配布した。岩手県には60の市町村があるが(そのご都南村は盛岡市と合併し59市町村)、総面積が約1.5万km2と県としては全国一広いため、市町村単位では地質構造等との対比検討が難しいことから、中学校単位で調査を行うこととした。そこで、盛岡市・滝沢村・都南村を除いた57市町村の140校に在校生3〜10名に1名の割合で5122枚を配布した。回収数は4312枚で回収率84%、回答者の所在地が当該学区内に位置し解析に供しえた区域内回答数は3758枚で区域内回答率73%である。

 盛岡市域については、盛岡市(旧都南村を含む)および滝沢村の全小中学校を対象として、77校に5032枚を配布した、。回収数は4571枚で回答率90%、回答者の所在地が盛岡市域に位置し解析に供しえた区域内回答数は4281枚で区域内回答率85%である。配布に際しては、盛岡市街地の学校には在校生10名につき1枚、郊外の学校には2〜3名に1枚の割合と重みを付けたが、市街地以外では回答者のないメッシュおよび回答数が1〜2枚と信頼性が十分でないメッシュが多い。


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